ブラインドイノセンス

こじらせたジャニヲタのBlog

ファウストを見て

7/13に河合&五関主演舞台のファウストを見に行ってきました。
これは表記がトリプル主演表記になっていたけど、実質河合郁人主演舞台だなーと。
王子との殺陣のシーンの悪魔へと心が傾くファウストの芝居は本当によかった。
あの困惑からの相手を倒すことを楽しいとさえ思っているよう豹変する眼差しに河合郁人の凄み、狂気を見ました。
(だからこそ1幕のダレが気になったんですけどそれはまた追い追い、五関さんに関してはものすごいハマり役。それもまた追い追い)

が、それと同時に主演であるならばもう少し河合、五関の良さを出して欲しかったと思ったんです。

ダンスのシーンはあったもののあの2人は指先まで綺麗だな、とか息の合わせ方が見事という以外あまり…殺陣としてアクロバットがあったのも河合、五関各一回くらいで…(五関さんはファウストを操るシーン、と殺陣がもう一度あったかも)

五関オフィストに関しては、1幕での深い森でローズの猿との戦いのシーンでのアクロバットは効果的に、この人は人間ではなく悪魔で、それが魔の物を振り払う〜というのが表現できていたと思うんですけど(アクロバットの邪魔になる剣も途中で違和感なくファウストに差し出すという見事な処理)その後の殺陣ではアクロバット特に活用せず…
まぁ、他のオフィストの絡む殺陣となると乱戦模様なのでバク転だのバク宙だの活用するのはまた難しかったのだろうと思うんですけど、本当にもったいなかった!と思うのは2幕後半にある河合ファウストとヴァレンティン王子の殺陣!

ここが冒頭に述べた、河合郁人の目の芝居が凄い悪魔へと心が落ちるシーンでもあるのですが、こここそアクロバット活用できたのではないか?と思うんです。
殺陣の序盤でヴァレンティンの攻撃を避けるのにバク転をするのですが、攻撃を避けるバク転ならば悪魔に傾いてからの方がよかったんじゃないかなーと。

悪魔である五関オフィストが序盤で、殺陣の中でアクロバットを行っていたのと重なってよりファウストは、悪魔へと心が傾いているのだ!と印象的に見せられたのではないかなぁって。

本来のファウストは処刑されそうになり、べそをかくような年老いた男なのにそれが悪魔との契約と試練を乗り越えて変貌し、さらに悪魔へと心が傾き人を翻弄するような動きで剣を振るう男になったと印象も残せたんじゃ…
目の芝居はすごかったけど前の方の席や双眼鏡ウォッチャーじゃないと伝わらない。
もちろん、動きも変わるんだけどあの乱れた前髪から覗く、狂気を宿した眼差しは近くでしかわからない。
だからこそ、大きなインパクトを残す意味でもあのシーンでアクロバットが欲しかった!!


私が見に行った外部舞台なんて、ビューティフルサンディ、ザ・オダサク(これはここに入れていいものか迷いますが浜中文一の言葉を引用して外部舞台とします)、大和三銃士くらいなのですが、大和三銃士での濱ちゃんくらい本人の武器を生かしたシーンを増やして欲しかった。

濱ちゃんはメインの1人だったのですが、当時はまだデビューもしていない関西ジャニーズJr.だったのに(獅童さんの推薦?があったとはいえオーディションから、メインキャストの中で最も格下とかジャニーズのゴリ押しなんて言われてもおかしくない立場でした)自分の良さ、売りを発揮させていただいていたと思うんです。

あの誰が見てもこの人は事務所の力でねじこまれたのではない、そもそも舞台上に存在するのは濱田崇裕でなく花輪嵐という人だ、と思ってしまうほど引き込まれるお芝居の面はもちろん、今回言及したいのは殺陣です。

決して動きやすいとは言えない和装でアクロバットの技を効果的に使っていて、満身創痍かつ全身全霊で敵に立ち向かっているというのを表現していたので…
鬼気迫る芝居も合間ってまさに全身全霊、あれが本来の戦での花輪嵐の姿なんだろうな、と見る側に思わせるシーン。

あれを濱田が得意とするアクロバットを組み込ませて魅せるなんて、演出家さんほんとにすごいですし、濱田の良さを見せようとしてくれたんだな。と今更ながら思うんです。

だからこそ!だからこそ主演作であるファウストではA.B.C-Zの2人に自らの売りを、武器であるアクロバットを魅せられるシーンを持たせて欲しかった。
無理にねじ込むというわけでなく、入れれそうな隙間があったので。
A.B.C-Z目当てで無いお客様からしたら、かなりのインパクトになったでしょうしね。